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夏の流れ 丸山健二

ダイヤモンド
死刑という重い主題を扱っている。だが、わたしは「ダンサー・イン・ザ・ダーク」を知っているため、そういった具体的映像に匹敵する強度がこの小説に、言葉になかったことに不満を持った。
現代において情報化は進み、具体的にどのような段取りで、どのような形式で死刑が執行されるのか、ということはインターネットというたった一本の紐を引くだけで知ることができるようになった。要するに、死刑という行為そのものに対する斬新さは、もうなくなってしまったのだ。だが、わたしはこの小説を読んで「古いな」とも思えず、丸山に永世の小説を目指す、という目的があればそれは達成できていると言えるだろう。日本人らしい抑制的な筆致で、視覚的に世界を描く、という作法は今でも、模倣すべき小説の良法であるということか。


第五十六回受賞作(1966年)
わたしの評価 ★

わたしの印象に残った選評 看守の私生活、家庭生活の描写が長々しくて、少し退屈した。私小説のほうを半分ぐらいにして、この非人間的な死刑執行に対する作者の批判を加味したら、もっとまとまった好短篇となったろう(舟橋聖一)
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